地震保険では、地震や噴火またはこれらによって起きた津波が原因の火災、損壊、埋没、流失によって建物や家財が受けた場合、その損害を補償します。
火災を補償する保険として火災保険がありますが、火災保険では地震などでの損害は補償されませんので注意しましょう。
なぜ火災保険は地震などの損害は補償しない?
地震、噴火、津波によって生じる損害は、甚大な被害となることが予想されます。そのため火災保険とは別に、特約として加入された地震保険で補償することになっています。
火災保険のみ加入の場合、保険の目的である建物や家財が半焼以上の被害を受けた場合には、地震火災費用として一定の保険金が支払われます。しかしこの金額で地震による損害を十分に補填できるとは言えないでしょう。
記憶に新しい東日本大震災では津波が発生しました。日本は島国であり地震国です。津波に備えるためにも地震保険への加入を検討する必要は高いでしょう。
もっとも懸念されるのは南海トラフ巨大地震
気象庁は日本で過去100年に100人以上の死者や行方不明者を出した地震は15回、そのうち津波被害が生じたのは11回と発表しています。
その中で現在最も警戒されている地震が「南海トラフ巨大地震」です。今後30年以内にマグニチュード8~9という地震が60~70%の確率で発生すると言われています。
南海トラフ巨大地震が起きた場合の津波は?
内閣府は南海トラフ巨大地震が起きた場合、高さ5m以上の津波が襲う地域は13都県だと予測しています。
地震が発生した場合には、津波が発生するのかなどを津波警報・注意報で発表します。大津波警報と津波警報があった場合には、沿岸部や川沿いにいる人はただちに高台や避難ビルへ避難することです。津波警報が解除されるまでけっして安全な場所から離れないことも大切です。
・大津波警報
5~10m超の巨大な津波が発生する危険性がある場合には大津波警報が発せられます。想定される被害は、木造家屋の全壊・流失、人が津波による流れに巻き込まれるという被害です。
・津波警報
3mの高い津波が発生する危険性がある場合は津波警報が発せられます。想定される被害は、標高の低いところで津波が襲い浸水被害が発生、人が津波による流れに巻き込まれるという被害です。
・津波注意報
1mほどの津波が発生する危険性がある場合には津波注意報が発せられます。海の中では人が速い流れに巻き込まれ、養殖いかだが流失、小型船舶が転倒といった被害が想定されます。海の中にいる人は海からただちに上がり海岸から離れましょう。
津波を補償するのは地震保険
地震保険は地震の揺れによる損害以外に、地震や噴火、津波による火災、損壊、埋没、流出なども補償します。大きな津波が発生した場合の被害は莫大になることが予想されます。
未加入の世帯は、居住している地域が津波リスクの高い地域かどうかをハザードマップなどで確認し、地震保険に加入する必要はないのか再度検討してみることも必要です。