例えば地震保険の保険料を数年分先に払っている場合、引越しなどで途中解約しなければならなくなるケースもあるでしょう。その場合支払った保険料は、そのまま払い損になっては無駄ですので返してもらえるのかが重要になります。
保険料はどのような費用で構成される?
通常、保険契約における保険料は、純保険料と付加保険料で構成されています。保険金の原資となるものは純保険料で、保険事故が発生すると保険金として支払われ、残りを積立てていきます。それ以外の部分は付加保険料ですが、保険会社の経費にあたる部分です。損害保険の場合、損害保険料率算出機構が火災保険や自動車保険、傷害保険の純保険料に相当する部分の料率を算出します。合理的で妥当な料率で算出されています。しかしあくまでも参考としており、それぞれの損害保険会社で独自に算出することも可能となっています。
地震保険と自賠責保険は別扱い
ただし例外扱いになっているのが「地震保険」と「自賠責保険」の保険料です。損害保険料率算出機構が算定した料率を使い、純保険料率と付加保険料率に分けて算出した合計を各保険会社が使うことが義務付けられています。そのため地震保険をどこの損害保険会社で契約したとしても、保険料に違いはありません。
保険契約を途中で解約した場合
保険契約を保険期間の途中で解約する場合、未経過部分の保険料や蓄積分の一部は払い戻されます。
・未経過部分の保険料
保険種類にかかわらず年払いや半年払いで契約している時に返還されます。そのため地震保険を途中で解約する場合にも、経過していない期間の保険料は返金してもらえます。年払いや半年払いの契約などの場合は、保険期間の中途で解約するとその直後の月単位の契約応当日から残存月数に応じた保険料を返還することになっています。数年分の保険料を一括で支払っている長期一括払で契約している場合には、払い戻される解約返戻金は「一括払保険料×経過年数に応じた係数=解約返戻金」で算出しますが、1か月未満の端日数は1か月として計算します。
・蓄積分の一部の払い戻し
生命保険や傷害疾病定額保険などで保険料から貯蓄されている部分の一部が払い戻されるものです。
地震保険の未経過保険料は払い戻される
地震保険を長期一括払などで契約している場合、途中で解約すればまだ経過していない分の保険料は払い戻してもらうことができます。払い戻されることを知らずにそのままにしていると、無駄な保険料を支払うことになってしまいますので必ず契約した保険会社に連絡をして払い戻しの手続きを行うようにしましょう。なお、地震保険の契約がある場合には年末調整や確定申告などで地震保険料控除を受けてると思いますが、まとめて数年分支払っていても控除を受けているのはその年分のみですので手続き上問題はありません。