地震保険は建物と家財に対して加入した火災保険とセットで契約することになっています。補償されるのは地震、噴火、津波が原因とした火災、埋没、損壊、流失による損害です。
地震保険の補償対象外になる場合
地震保険の補償対象とならないケースは次のとおりです。
・工場や事務所専用の建物といった住居用でない建物やその中に収納されたものは対象になりません。
・火災保険では30万円を超える貴金属や美術品などは明記物件として別に申告していれば補償の対象ですが地震保険では補償されません。
・液状化で受けた建物被害も地震保険の対象です。しかし柱や屋根、土台などが損害を受けていない場合は対象外ですので注意しましょう。
・地震発生日の翌日から、既に10日経過した後の被害は地震との因果関係が明確にならないので補償の対象となりません。
地震保険は民間と政府が負担し合う仕組み
地震保険の契約があると、各損保会社はそれぞれが出資している「日本地震再保険株式会社」に再保険として出します。日本地震再保険株式会社は、政府と超過損害額再保険契約を締結してリスクを分散しています。民間側と国の保険金の負担割合は、損害額が巨額になるほど政府負担が増えるという仕組みになっています。
補償額にも上限がある
地震の被害は広範囲になることが予測されますので、契約額も火災保険の30~50%の範囲内、上限も建物5,000万円、家財1,000万円と決まっています。地震が起きて損害を受けた場合には、全損、半損、一部損のどの損害区分に分類されるかで受け取る保険金は異なります。全損は契約金額の100%、半損50%、一部損5%が支払われます。
損害区分の振り分けはどのように行う?
例えば建物が津波で完全に流失してしまったり、揺れで倒壊・破損して跡かたのない状況になったり、その場合には保険金が100%払われるでしょう。例えば木造家屋の場合には、3度以上傾けば全損扱いになります。半焼すれば半損、主要構造部に時価3%以上の損害が生じた場合には一部損というように、どの区分に分類されるかはケースバイケースです。
・門や塀が損壊した場合は?
門や塀も建物に含まれますが、地震保険の場合には柱や壁などの建物の主要構造部に損害を受けた場合、焼失・流失した床面積が一定以上生じている場合などが保険金の支払いの対象です。そのため門や塀が倒れて損壊を受けているけれど、家自体に損害がなければ保険金は支払われません。
・家財の損害判定は?
また、家財の場合には、家財総額10%以上30%未満の損害が生じていれば一部損、30%以上80%未満の損害は半損、80%以上の損害で全損扱いです。
地震による備えを
地震保険に加入していなければ、地震による火災が発生しても火災保険のみでは補償されません。保険金を受け取ることができなければ、生活を再建することは難しくなりますので、備えとして検討するようにしましょう。