もしも火事や地震で家が焼失したり、倒壊してしまったりと不安を感じる部分への備えとして、火災保険や地震保険に加入している人もいるでしょう。いくつか複数の火災保険や地震保険に契約していれば、医療保険のようにいざ被災した時には各保険会社から多額の補償を受けることができると思っている人もいるようです。しかし損害保険は生命保険と仕組みが異なりますので、火災保険や地震保険の仕組みと重複保険での補償について理解しておくことが必要です。
複数の保険会社から加入する重複保険とは?
同じ建物や家財対して、複数の火災保険や地震保険をかけることを重複保険といいます。各保険会社に告知して加入すれば、重複保険でも加入自体は違法ではありません。しかし火災保険は本来事故や災害が起きた場合、損害を補償するための復旧が目的の保険です。そのため保険を受け取って被災する前より得になる焼け太りは認められません。複数の保険会社から加入していても、損害分を超過した保険金額を受取ることは出来ませんので保険料に無駄が発生することになりますので注意しましょう。
地震保険の加入対象
地震保険は居住用の建物、建物に収容される家財が対象の保険です。住居だけに使用されている建物以外に、住居の一部を事務所や店舗など業務用で使用する建物も同様に対象となります。ただし自動車や、火災保険では明記物件として対象となる1個や1組の価額が30万円を超える貴金属などについては、地震保険の対象にはなりませんので注意しましょう。
地震保険の保険金額
地震保険は火災保険の保険金額の30~50%の範囲で保険金額を決めます。上限は建物5,000万円、家財1,000万円となっていますが、マンションなど区分所有建物の場合には区分所有者ごとに限度額が適用となります。地震保険を複数から加入している場合には、地震保険の保険金額を合計し、上記の限度額が適用されます。
地震保険の保険期間
地震保険は契約する火災保険の保険期間に合わせて契約することになります。例えば火災保険の保険期間が1年を超える長期契約の場合の地震保険は、毎年自動的に継続していく方式にするのか、最高5年の長期契約にするかを選ぶことができます。
重複保険で契約していないか注意を
複数の保険会社から損害を補い合うという前提で重複保険にしている場合は問題ありません。ただし実際の損害額を超えた保険金を受取ることは出来ませんので、保険料に無駄が発生してしまう可能性については注意しましょう。まず現在加入している損害保険の内容について、補償が重複しているものはないかを把握をしておき、保険料に無駄が出ないような契約になっているかを確認するようにしましょう。