保険始期が2017年1月1日以降の地震保険については保険料率が改定になります。改定によって保険料率は全国平均5.1%引上げされますが、どのくらい引上げになるか、または引下げになるかは都道府県や建物構造で異なります。最大引上げ率は14.7%、最大引下げ率は15.3%となっています。
今回の保険料率改定は1段階目
地震保険の保険料が大きく引き上げになることで契約者の負担は大きくなってしまいます。そのため3段階に分けて保険料率を改定していくことになっています。今回2017年1月の改定はその1段階目です。2段階目以降の改定予定や改定率については、基礎データが更新されることなどを踏まえて決まります。
保険料が改定された理由
地震保険の保険料率の算出は、将来地震が発生した場合に伴う損害の危険リスクに基づいてのものです。そのため料率が改定される理由として、政府の地震調査研究推進本部の震源モデルが見直しされるなど基礎データが更新になったこと、地震保険に関する法律施行令が改正されたことで損害区分が細分化されること、財務省の議論のとりまとめなどがあげられます。震源モデルの見直しは、2014年12月地震本部公表の「確率論的地震動予測地図」における震源データが追加されたこと、更新になったこと、地震の規模の見直し、地盤データの見直しなどによるものです。
保険料が改定された理由の1つ「損害区分の細分化」とは
地震保険は保険金を迅速に、そして契約者に公平に支払われるために損害の程度に応じた損害区分へ分類し、区分ごとに保険金額の一定割合が支払われます。「地震保険に関する法律施行令」が改正されたことで、2017年1月1日以降が保険開始始期の地震保険契約の損害区分は、現行3区分(全損・半損・一部損)から4区分へと変更になります。現行の半損が2分割されて、大半損と小半損に細分化されます。
損害区分が細分化される理由
財務省の「地震保険に関するプロジェクトチーム・フォローアップ会合」での議論では、査定を迅速に行うことは当然ですが、損害の実態により近い状態の区分に分類することが望ましいと検討されました。このことによって損害区分が細分化されることになりました。
割引確認資料も拡大
地震保険は建物の免震性能や耐震性能、建築した年月に応じて保険料の割引制度が設けられています。割引の適用条件を満たした場合には、所定の割引制度が適用されます。2017年1月1日以降が保険始期の地震保険契約から、免震建築物割引、耐震等級割引、建築年割引の確認資料の範囲が拡大になることも知っておくと良いでしょう。
地震保険の料率改定に注目
地震保険の保険料率が改定されることで、地域によっては保険料が高くなるところもあります。そのため契約を検討するのであれば、改定前と後での保険料の違いなどを確認してみると良いでしょう。