地震の被害に遭った場合には、経済的に負うことになる損害は想像以上のものです。そのために備えとして地震保険に加入するかを検討する必要があります。
建物と家財とでは地震保険の査定方法が異なる
火災保険と地震保険の査定方法は異なっていますが、地震保険の補償対象によっても査定方法が異なります。新築の物件や購入したての家財価値は、時間の経過で古くなり低下していきます。火災保険を契約する際には、建物や家財などを正しく金銭に評価する必要があります。
地震保険は3つの区分に分類される
金銭に評価した額を保険価額といいますが、火災保険の保険金額は保険価額が基準になるため、万一火災などの際に支払われる損害保険金は保険金額が限度です。一方地震保険は、被害状況に応じて、全損、半損、一部損の3つに区分され、時価を限度として、全損なら保険金の100%、半損50%、一部損5%が支払われます。
地震保険の査定は建物と家財で異なる
地震保険は建物や家財を保険の目的にして加入しますが、それぞれ査定方法が全く違います。地震保険の場合は原則損害確認が行われることになり、例外的に被害が大きい地域は航空写真を使った鑑定が実施される場合もありますし、2016年の熊本地震からは一部自己申告方式も採用されています。
建物の査定方法
まず建物の査定方法は、基礎部分や柱、屋根、外壁、梁、軸組みなどの主要構造部の損害がそれぞれどのくらいの比率かで査定していきます。ただし建物の主要構造部に大きな被害がなく、門塀が壊れた場合などでは保険金の支払いの対象外です。査定の際には、鑑定人が建物の周囲や内部を確認項目にしたがって細かく確認していきます。確認方法はマンションでも一戸建でも同じです。
家財の査定方法
一方の家財の査定方法は、家財それぞれの価格や購入年月などで判断するわけではありません。家財を食器類、電気器具類、家具類、身の回り類、衣類寝具類など5~6種類くらいに分類し、さらにそれぞれ細分化されています。そしてそれぞれに損害があるかを確認していき、積算して査定していきます。
複数回の地震が発生した場合の査定は?
72時間以内に生じた2回以上の地震等は1回の地震としてカウントします。また、地震等で保険の対象が損害を受けた場合でも、地震発生日の翌日から起算して10日を経過した後の損害や、紛失や盗難によって生じた損害は保険金支払いの対象となりません。
地震保険の加入を検討する時に注意したいこと
地震保険は火災保険とセットで加入しますが、査定方法は火災保険とは異なっています。また、保険金については1回の地震で損害保険会社全社の支払保険金総額が11.3兆円を超える場合、算出された支払保険金総額に対する11.3兆円の割合によって削減になる場合もあることを理解しておきましょう。