マンションは鉄筋コンクリート造の建物なので、地震が起きても揺れに強いという印象があります。地震保険で備えておくことは必要なのかと疑問を持つ人もるでしょう。保険料と保険金のバランスを考えると地震保険は安いものではありませんが、地震保険は一般的な損害保険と事情や仕組みが異なっているため、加入率や付帯率を参考に検討していくようにしましょう。
相次ぐ地震災害で加入率が上昇
平成7年に発生した阪神淡路大震災以来、日本では全国各地で大きな地震が相次いで起きています。平成17年には福岡県西方沖を震源とする地震、平成16年と平成19年には新潟県中越(沖)地震が発生し、平成23年には東日本大震災といった巨大地震が発生しています。平成28年の今も熊本県を中心とした地震をはじめ、さらには茨城県、鳥取県と各地で地震が発生している状況です。日本損害保険協会の統計では、地震保険の世帯加入率は平成26年度末時点の全国平均が28.8%という割合で、阪神淡路大震災の発生前の平成6年度の加入率9.0%から上昇している状況です。
地震保険の補償内容と特徴
地震保険は単独では加入できませんので、必ず火災保険に付帯して契約する必要があります。保険金額(契約金額)は火災保険の30~50%の間で、建物5,000万円、家財1,000万円を限度に設定することになります。そして建物や家財が全壊や全焼したとしても、最大で火災保険の半分しか補償されないということを理解しておきましょう。満額支払われても同じ建物を購入したり建築したりすることはできないことが前提になっています。
地震保険は意味がある?
さらに補償内容など条件だけ見た場合には損害を受けた建物の再建築を地震保険の保険金で賄うことができないなど、良いように思えないかもしれません。しかし保険は相互扶助という助け合いの仕組みになっており、大地震の被害は広域に渡るため、数多くの人に多大な損害が出るという特徴があります。そのような事情から地震保険は引き受けや支払いに国が関与しており、地震保険の保険料は建物の構造や所在地で異なってきます。
地震保険の必要性が高い人
地震保険の加入率はそれほど高くありませんが、加入しておく必要性が高い人は検討する必要がある保険です。例えば住宅ローンの残債が多い人や、被災した時その後の収入が途絶えてしまう可能性が高い人や預貯金が少ない人は検討しましょう。仮に自宅兼店舗で経営している建物が全壊してしまうと、住宅ローンの残債の支払いが残るだけでなく収入源も失ってしまいます。地震保険に加入した後に住宅ローンの残債が減ってきたら、再度地震保険を見直すようにすると良いでしょう。
地震保険の必要性の確認を
地震保険が生きるのは実際地震が発生して被害に遭った時です。それまでは加入していても保険料が無駄に感じるかもしれませんし、保険料が出ても同じ家を買い直すこともできません。しかし生活を立て直すためにはまとまったお金が必要です。周囲が加入していないから自分も大丈夫だろうと思わずに、再度地震保険の必要性を検討していくようにしましょう。