もしも何度も事故を起こして保険会社に保険金を請求した人と、事故がなく保険を全く請求しなかった人が同じ保険料だったら不公平に感じるでしょう。そのような状況を回避するために、自動車保険は同じ補償内容でも保険の利用状況に応じて保険料に差が付く「ノンフリート等級別料率制度」が設けられています。この制度は保険会社を変更して自動車保険の契約を行った場合も引き継がれる共通の仕組みになっています。
ノンフリートとは?
ノンフリーとは自動車保険に加入している車の台数が9台以下の場合に適用となりますので、一般的な個人の多くはノンフリート等級制度が適用になります。
ノンフリート等級別料率制度とは
ノンフリート等級別料率制度では1~20等級までの等級別に保険料の割引率や割増率が決められています。自動車保険に初めて加入すると6等級からのスタートになります。(一定条件に該当した2台目以降の契約で7等級からのケースもあり)
等級はどのように上がる?
自動車保険を既に契約している場合には、それまで加入していた自動車保険の等級や過去1年間の保険事故件数で等級が決められます。1年間保険を使わなければ等級は上がり割引率が高くなっていきますが、保険を使うと等級が下がり、さらに割増引率である「事故有係数」が適用されます。継続して無事故という状況が続けば等級が上がり、保険料が安くなる仕組みになっています。
事故有係数とは?
2012年に等級制度が一部改定されたことにより、保険を使った人はペナルティが課せられることになりました。例えば保険を使わず12等級になった人と、保険を使い12等級に下がった人は同じ等級です。以前の制度では同じ保険料でしたが、保険を使った人はまた保険を使う可能性が高くなるというデータにより不公平を解消しています。各等級の割増引率の改定と、事故があった契約については翌年以降の一定期間は「事故有係数」が適用されることになりました。
事故有係数の適用期間は?
事故有係数は事故がある7等級以上の契約の人に適用となる係数(割引率)です。無事故の人と同一等級でも割引率が低くなり、適用期間は事故1件について3年間です。2件以上の事故の場合でも事故有係数適用期間は最大6年間です。
保険を使うと何等級ダウンする?
一般的に事故で保険を使うと3等級下がることになるのですが、中には1等級しかダウンしない事故があります。この場合には事故1件につき事故有係数の適用期間は1年間です。1等級ダウン事故には、火災、爆発、台風、洪水、竜巻、高潮などによる損害や、窓ガラスの破損、落書き、いたずら、盗難による損害、落下中や飛来中の他物と衝突したことによる損害などが該当します。
事故件数としてカウントされない場合も
保険を使っても事故件数としてカウントしない「ノーカウント事故」があります。人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険、無保険車傷害のみを利用する事故や、個人賠償特約、弁護士費用特約、ファミリーバイク特約、代車特約のみを利用する事故、その他車両事故の無過失事故など保険会社が定める事故がノーカウント事故に該当します。
等級を上げるのは保険を使わないほうが良い?
事故が発生し保険を使うと、一般的には3等級下がるため翌年の自動車保険の保険料は高くなります。そのため継続して等級を上げて行くには保険を使わないことが重要です。事故をなるべく起こさないように安全運転を心掛けるようにしましょう。