例えばもらい火が原因で自分の車が全焼してしまった場合、家財の火災保険と車両保険のどちらから損害分の補償が行われるのか疑問に思ったことはありませんか?どちらも生活の中の補償を確保するために重要になる保険ですが、いざ事故が発生するとどの保険から補償を受けることができるのかわからなくなるという場合もあるでしょう。しっかりと補償の内容を理解しておき、いざという時に慌てないようにすることが大切です。
もらい火なら失火原因の相手が補償する?
もらい火による火災で自分の車が損傷した場合、失火原因となった人が加入している火災保険から損害賠償が負担されるのでは?と思うかもしれませんがそうではありません。本来なら加害者となる失火原因の人が被害者である車に損害を受けた人に賠償責任を負うべきだといえるでしょう。しかし火災に関しては原因が重過失でなければ火元の人は賠償責任を負うことにならないのです。
車両保険に加入している場合
失火原因になった人から補償は受けられないため、損害を受けた車は自分の補償を使うことになります。自動車保険の車両保険に契約していれば、火災に対する補償も備わっています。もらい火以外の車両火災も補償の対象ですが、補償されるのは法定どおりに整備された車を普通に使っていて発生した場合です。適切に整備されていない車や不法改造した車については、車両保険が適用されない場合もありますので注意しましょう。
家財の火災保険からは補償される?
家の家財に対する火災保険の契約がある場合、車の補償がされるのではと思うかもしれません。しかし火災保険においての家財とは、家の中にある家具や家電製品など生活用品の動産を指します。そのため車については火災保険の対象外となります。
車の補償は車両保険で
もらい火による車の火災など誰かの不注意が原因で火災の被害に遭った場合でも、相手から補償されず自助努力が原則になります。車両保険は火災や衝突による損害だけでなく、台風、雪災、ひょう、水災などの自然災害、盗難、落書き、飛石による破損などもカバーできる保険です。そして車以外にも1個1組が30万円を超える貴金属類など、火災保険の家財としてあてはまらないものもあるということにも注意しましょう。
家財も火災もどちらも大切な補償
火災は11~12分ごとに1 件という頻度で発生しており、火災の原因で最も多いのは放火となっています。そのため火災による事故は、自分が注意していてもいつどのような状況でまきこまれるかわかりません。家や家財、車など自分の大切な財産を守るために、建物と家財については火災保険、車については車両保険で備えておくことが大切です。