任意で自動車保険に加入している人がほとんどだと思いますが、地域によっては加入率の少ない県もありますので、もしも自動車保険に入っていない相手と交通事故を起こした場合にはどのようなリスクがあるのかを理解しておく必要があるでしょう。
約3台に1台は任意保険に加入していない？
2015年の損害保険料率算出機構による自動車保険の概況によると、対人賠償の加入率は 73.8％、対物賠償73.8％、搭乗者傷害34.0％、車両保険43.2％、人身障害67.0％という状況です。自動車を所有したら任意保険に入ることは一般常識だと考える人ばかりではないというのが現状で、単純計算した場合約3台に1台の自動車は対人、対物保険に入っていないことになります。そのような車が道を歩いているときにぶつかってきた場合や、自宅に突っ込んで来て死傷した場合などには、損害分は加害者の自賠責保険から、さらに超過分については加害者に自費で払ってもらうことになるでしょう。
自賠責保険があれば大丈夫？
交通事故が起きて相手が任意保険に加入していなくても、自賠責保険から補償されるから大丈夫ではないかと思うかもしれません。しかし自賠責保険から補償されるのは死亡事故3,000万円、後遺障害4,000万円、傷害120万円までです。加入率が最も低い沖縄県では対人賠償の損害額が1億円超という事故も発生しており、損害賠償額は高額化している傾向です。
無保険車と事故を起こした場合
自賠責保険は強制保険ですがその自賠責保険にすら入っていない人もいます。ただし自賠責保険は相手が未加入の場合でも政府保障事業制度で上記金額までの補償は約束されます。ただし上記の補償額を超える金額については、やはり任意保険に加入していることが必要となります。任意保険未加入の相手と事故を起こした場合には、保険会社にも国にも賠償金を払ってもらえませんので加害者が自費負担できない場合は泣き寝入りになる可能性があります。
自分の任意保険が使えるケースもある
車両に搭乗中の時、歩行中の時など交通事故の被害に遭った場合に自分が加入している任意保険で損害分が補償される場合があります。
・無保険車傷害保険
無保険車と交通事故を起こして亡くなった場合、後遺障害を負った場合など、契約している対人賠償保険と同等の保険金を受け取ることができる保険が無保険車傷害保険です。ケガを負った場合の治療費や入院費についての補償はありませんが、賠償額が大きくなってしまう死亡や後遺障害などの場合に無制限なら2億円まで補償されます。任意保険に入らない人がいることを考えると、自分が加入している保険から補償されるような状況を確保しておくことも必要と考えられるでしょう。
無保険車に請求する方法もある
本来であれば損害賠償金は加害者が支払うべき部分なので、相手が任意保険に加入していない場合でも内容証明郵便を送付する方法や弁護士に依頼するという方法、最終的には裁判という方法を取ることも可能です。ただし相手に支払能力がなければ賠償金は取れませんので、自分の任意保険で備えておくほうが安心できると言えるでしょう。
