地震の震度は現在「計測震度計」で測定されています。
以前は体感や周囲の状況から推定して震度を決めていましたが、1996年4月以降、計測震度計で自動的に観測されるようになりました。
気象庁が発表している震度は、気象庁、地方公共団体、国立研究開発法人防災科学技術研究所が全国各地に設置している震度観測点で観測した震度です。
震度階級とは?
気象庁の震度階級は、震度0~4、5弱、5強、6弱、6強、7と10段階あります。
気象庁の「震度階級関連解説表」による震度の階級ごとの住宅や建物に与える損害は次の通りです。
・高い耐震性の木造住宅
震度6弱…壁などに軽微なひび割れや亀裂が起こる場合がある
震度6強…壁などにひび割れや亀裂が起こる場合がある
震度7…壁などにひび割れや亀裂が多くなる場合、傾きが起こる場合がある
・低い耐震性の木造住宅
震度5弱…壁などに軽微なひび割れや亀裂が起こる場合がある
震度5強…壁などにひび割れや亀裂が起こる場合がある
震度6弱…壁などにひび割れや亀裂が多く見られ、大きなひび割れや亀裂が入る場合もある。さらに瓦の落下、建物の傾き、倒壊なども起こる場合がある
震度6強…壁などに大きなひび割れや亀裂が入ることが多く見られ、建物の傾きや倒壊も多く起こる
震度7…建物の傾きや倒壊がさらに多くなる
・高い耐震性の鉄筋コンクリート造の建物
震度6弱…壁、梁、柱といった部材にひび割れや亀裂が入る場合がある
震度6強…壁、梁、柱といった部材にひび割れや亀裂が多く発生する
震度7… 壁、梁、柱といった部材にひび割れや亀裂がさらに多く発生し、1階や中間階が変形して稀に傾く場合もある
・低い耐震性の鉄筋コンクリート造の建物
震度5強…壁、梁、柱といった部材にひび割れや亀裂が入る場合がある
震度6弱…壁、梁、柱といった部材にひび割れや亀裂が多く発生する
震度6強…壁、梁、柱といった部材にエックス状や斜めのひび割れや亀裂が発生することや、1階や中間階の柱が崩れて倒れる場合もある
震度7…壁、梁、柱といった部材にエックス状や斜めのひび割れや亀裂が多く発生し、1階や中間階の柱が崩れて倒れることが多くなる
気象庁の「震度階級関連解説表」について
震度階級関連解説表は、震度が観測された際に実際に起きた被害の中で多く見られたケースを記述しているため、記載されているよりも被害が大きくなる場合も小さくなる場合もあります。
そして震度階級ごとに示されている現象が全て起こるというわけでもなく、5年くらいを目安に定期的に見直しと変更が行われるようです。
震度が小さくても安心できない場合もある
気象庁が発表する震度は原則、地表や低層建物の一階に設置している震度計による観測値ですので、同じ建物でも階数によって揺れの強さは異なる場合もあります。
さらに地震動は地盤や地形によって大きく影響されますが、震度計が置かれている地点で観測した値が震度となるので同じ市町村内でも震度が異なることもあります。
そのため速報などで震度がそれほど大きくなかった場合でも安心せずに、地震発生後に行うべき行動を取るようにしましょう。