政府の地震調査研究推進本部では、2016年版全国地震動予測地図という今後30年以内に強い地震に見舞われる確率を示したものを発表しました。
この予測地図によると建物倒壊が起こる震度6弱以上の地震が起こる確率は、太平洋側の南海トラフ巨大地震の震源域周辺で2年前と比べると最大2ポイントほど上がっています。
全国地震予測地図は正確?
全国地震動予測地図は地震の発生のしやすさや地盤の揺れやすさを調査してそれを基に作っています。
確率が3%以上は地震の発生確率が高いと判断でき、0.1~3%未満はやや高いと判断できます。
全国地震動予測地図での地震発生確率はすべて2016年1月1日時点のものですが、その確率は8%とおどろくほど高かったわけではない熊本県益城町では4月に大地震による被害が起こりました。
地震はM7.3という規模で起きたことからも、確率が低いから安心できないということがわかります。
地震発生の確率が高いと示される地域は?
太平洋側での地震発生確率は、前回全国地震動予測地図が作成された2年前から今回まで巨大地震が発生していないことからプレートのひずみが増えていると判断できるため確率が上昇しています。
高知市73%、静岡市68%、津市62%、和歌山市57%など2ポイント確率が上がっています。
主要都市の場合、札幌市0.92%、仙台市5.8%、東京都47%、横浜市81%、名古屋市45%、大阪市55%、広島市22%、福岡市8.1%で、前回と比較すると±1ポイント以内です。
熊本だけじゃない!函館でも地震が発生
発生確率0.99%の函館で2016年6月16日震度6弱の地震が発生しました。
震源地は内浦湾(噴火湾)で深さは約10km。規模はM5.3と推定されています。
被害の報告は入っていませんが、道内で震度6弱を観測する地震が発生したのは2003年の十勝沖地震以来です。
全国地震動予測地図では都道府県庁と総合振興局・振興局の所在地の合計61か所で下から5番目に低い確率だったのにもかかわらず地震が発生しています。
札幌市の確率も0.93%だったので下から4番目に低い確率でした。
全国地震動予測地図はあくまでも参考として活用を
このことからも地震がくる確率だけを鵜呑みにしてはいけないということになり、低い確率だったとしても地震がくるかもしれないということがわかるでしょう。
全国の活断層は現在わかっているだけでも約2千という数で、未知の活断層も多く存在しています。
そのため日本中いつどこで地震が起きるかわからないという状況であるということを忘れずにいましょう。
全国地震動予測地図は地震がくるこないを決定づけるものではありませんので、参考程度にとどめて日常から地震が発生した時のために備えておく必要があると言えるでしょう。