台風や暴風雨などで起こる土砂崩れや洪水、高潮による床上浸水などの損害は、火災保険で水災の補償を備えておく必要があります。
突然水量が増加することで行き場のなくなった下水が溢れるなどの都市型洪水が増加しているため、水災の危険と隣り合わせの状態で生活している状況といえます。
火災保険の水災で補償されるのは?
台風が発生し近くの川が氾濫して床上浸水し壁の張り替えを行うことが必要になった場合や、豪雨が発生して山が土砂崩れを起こして家屋が流された場合などは水災の補償対象です。
水災補償で後片付けの費用もカバー
水災が起きた後の片づけ、清掃、がれき搬出といった作業にも費用が必要になりますが「残存物取片づけ費用」によってこれらの費用もカバーできます。
残存物取片づけ費用とは、火災や水災事故で保険金が支払われた際、損害を受けた保険対象の残存物を取片付けするための費用に対して実費を補償してくれます。
保険金額は商品によって違いますが、損害保険金の10%という場合と、他の支払い分と合わせて損害保険金と同額までという場合があります。
また、保険会社によっては水災補償に含まれている場合とオプションの場合があるので確認してから契約するようにしましょう。
水災補償に含まれない事例
水災補償の対象である水害は自然災害による水被害の一部ですが、雪や雹(ひょう)による被害は水災に該当しませんので、「風災・ひょう災・雪災」を補償の対象にする必要があります。
また、マンション上階の住民の過失で水濡れ損害が発生した場合や、建物内外の給排水設備の事故で水濡れ損害が起きた場合なども水災には該当しません。
水害の影響を受けやすい地域かを確認
近年豪雨や風水害など、地球温暖化の影響により件数は急増しています。
火災保険の水災補償が必要かどうかについては、自分の居住地域が水災の起きやすい地域かをまず確認しましょう。
水災の予測される地域に居住している場合には、日常からの備えを整備し最小限の被害に食い止めることが必要です。
マンションも水災補償が必要?
水災補償は川や海沿い、海抜の低い場所に住むのであれば必ず必要になる補償ですが、土砂崩れの危険性のない高台の住宅地やマンションの高層階の人は必要性としては低いと思うかもしれません。
ただし水災補償を火災保険の補償に付けなかった場合には、当然ですが水害での保険金は支払われなくなります。
火災保険に水災が必要かどうか再度検討を
内閣府が2016年2月18日に発表した「水害に対する備えに関する世論調査」の結果によると火災保険や共済の水災補償を契約している割合は31.1%でした。
補償として契約している割合はかなり少ない状況といえますが、水害は一度発生すると人の手で阻止することが不可能で被災規模が拡大しやすいという特徴があります。
被災者数も膨大になることが予測される災害であるということは認識しておきましょう。