日常生活を送る上で誤って他人にケガを負わせたり他人の物を壊してしまった場合には損害賠償責任を負う場合があります。
そのような事態に遭遇した場合、支払うべき損害賠償金や弁護士費用など、負担した金額の補償をしてくれる保険が個人賠償責任保険です。
リーズナブルなのに手厚い補償の保険
個人賠償責任保険を単独で契約することも可能ですが、火災保険、傷害保険、自動車保険などの特約として契約することが多く見られます。
仮に1年の保険期間で1億円の補償で契約しても、年間保険料は数千円というリーズナブルなため契約しやすいという特徴もあります。
損害賠償請求されるケースというのは頻繁に起こることではありませんが、近年自転車事故で他人を死傷させるといった事故により、高額な損害賠償金が請求されるケースなども発生しています。
個人賠償責任保険の補償対象者
個人賠償責任保険の被保険者は、生計が同じ同居の親族ですので世帯主の契約であれば子供による事故も補償されますし、子供の場合は生計を共にする別居の未婚の子も補償の対象です。
自宅から遠くの大学に独り暮らしをしながら通う未婚の学生などでも補償対象となります。
個人賠償責任保険で補償対象となるもの
保険金を受け取ることができる損害や費用は次のとおりです。
・被害者に支払う治療費、修理費、慰謝料などの損害賠償金
・訴訟になった場合に発生する費用や弁護士費用
買い物途中で陳列商品を落として壊してしまった場合や、自分が飼っている犬が他人を噛んでケガを負わせた場合などが補償の対象です。
他にも子供が駐車場の他人の車にキズつけた場合や、自転車で走行中歩行者とぶつかって後遺障害を負わせた場合、ベランダの鉢植えが落ちて歩行者に当たって死亡させてしまった場合にも補償されます。
個人賠償責任保険の補償対象とならないもの
他人の身体や財物に損害を与えた場合が補償の対象になりますので、名誉毀損やプライバシー侵害などに対しては補償されません。
次のような損害賠償責任については補償されませんので注意しましょう。
・契約者、被保険者の故意によるもの
・地震・噴火、これらによる津波に起因するもの
・被保険者と同居の親族に対してのもの
・被保険者が所有、使用、管理している財物の正当な権利を有する者に対してのもの
・被保険者の職務遂行に直接起因するもの
・被保険者の心神喪失に起因するもの
・車両、船舶、航空機所有、使用、管理に起因するもの
保険会社によっては個人賠償責任保険に示談交渉サービスを付帯できるものもありますが、取り扱っているかについては保険会社によって異なりますのでまずは確認してみましょう。
思わぬケースで発生した損害賠償責任の負担を軽くしてくれる保険ですのでもし加入していない場合には検討してみる必要があるでしょう。
