政府の発表によると南海トラフ地震が起こる確率は、30年以内に70%というものです。
しかし中にはここ2~3年以内に起きる可能性もあると示唆されていることから、具体的にどのような地震が起きてどのくらいの被害になるかを理解しておく必要があります。
南海トラフとは?
ユーラシアプレートにフィリピン海プレートがもぐり込む境界線にある地震発生帯のことで、静岡の相模湾沖から九州東南沖まで水深4,000mという深い溝がのびている状態です。
内閣府はこの南海トラフでM9の大地震が発生した場合の推定死者数を32万人、経済損失を220兆円と試算しています。
どのような地震が起きるのか?
M9の巨大地震が起きた東日本大震災など、過去の例から想定できる地震発生の状況は、全域が一斉に揺れるというよりも数時間から数日ごとに連鎖しながら起きることが予測されています。
1か所のプレートが割れた後にその隣のプレートが割れ、さらにその隣といったように次々と連鎖的に続くと考えられ、しかも南海トラフ地震は震源地が沖なので津波に警戒する必要もあります。
発生する津波の状況は?
津波の高さが4~6mでも何かにぶつかり勢いを増すということも考えられます。
これまで日本国内で観測された津波に36~38mという高さのものもありましたが、この高さの津波が発生した場合には沿岸部だと3階建てぐらいの建物では避難場所として役に立たなくなります。
南海トラフ地震が起きたら大阪はどうなる?
南海トラフ地震の津波の規模は、沖縄の小さな島全体をそのまま津波が乗り越えてしまうくらいのものと想定されています。
南海トラフ地震が発生して大阪を最大の津波が襲った場合には面積の約8割が水没してしまうでしょう。
熊本地震発生後の状況はどうだった?
2016年4月14日に起きた熊本地震は県内500か所以上ある避難所に約4万4000人が避難しました。
ライフラインも寸断されて九州新幹線は回送車両が脱線。運転は全線で見合わせられ、しかも高速道路は路面が陥没するといった状況でたくさんの区間が通行止めになりました。
さらに16日に九州地方の広い範囲で震度6強M7.3という地震が発生し、熊本地震の余震ではなくこの地震が本震、14日の地震が前震だったこともわかりました。
その後余震は何度も続いて被害を拡大させました。
南海トラフが発生した場合の状況の理解が必要
M9クラスの南海トラフ地震が発生した場合、静岡や高知では震度7、大阪は震度6強、京都・福岡・兵庫で震度6弱といった震度が観測されると考えられています。
想定される被害も大きく、特に太平洋側の広い地域は津波に襲われ浸水や水没といった状況が考えられます。
被害額や死傷者数も例を見ないほど拡大するとも言われていますので、もしも地震が発生した際にどのように行動をするかということや家を失った時に生活再建までの備えはどうするかということを検討しておく必要があるでしょう。