もしも家が放火で火事が発生した場合には火災保険に加入していれば補償を受けることができます。
放火の場合は自分や家族が注意して生活したとしても防止することが難しいため、もしもの備えるためには火災保険の契約をしておくことが必要です。
放火は出火原因のトップ
火災の原因の約1割は放火および放火の疑いというデータからも見てわかるように、火災原因のトップです。
放火されやすい状況をつくらないことが放火の防止に繋がりますので、ゴミは必ず収集日に出すこと、家の周りや庭などに燃えやすいものを置かないこと、物置には鍵を閉めるなどを心がけましょう。
特に問題なのは悪質な「偽装放火」
その中で凶悪犯罪と位置づける中には悪質と思われる「偽装放火」と言うものもありますが、これは失火を装って自宅に火をつけるというもので、保険金目当ての放火です。
自宅に自分で火をつけても当然保険金は受け取れませんので、証拠を残さないようにして過失による火災に見せかけます。
偽装放火は以前社会問題に
1990年代前半には北海道旭川市周辺で155件の連続不審火事件が起きました。
これはラベンダー事件と呼ばれるもので、反社会的勢力の経営する自宅や店舗を次々と放火し100億円近くを騙して受け取ろうとした事件でした。
この事件をきっかけにして全国各地で偽装放火事件が相次いだことで、事態を重く見た保険業界が実態調査を行いました。
民事訴訟で偽装放火だと認められた事例は1年間で34件、被害総額はなんと約32億円という保険金詐欺全体の7割以上にあたるものでした。
偽装放火への対策
日本損害保険協会では偽装放火を防ぐために、各保険会社で契約内容をデータベースで共有し重複契約や事故歴について確認できるような取り組みをしています。
また、定期的に警察との間で会合を開くといった捜査機関との情報共有も行っています。
偽装放火で損をするのは保険会社だけではない
保険は契約者みんなでお金を出し合い、万一の場合に備えるという性質のものです。
その保険金を狙う偽装放火で損をするのは保険会社だけではありません。
保険は偶然起きる事故の確率を算出し保険金額を予測してそれに見合った保険料を契約者が負担するという仕組みです。
偽装放火のような不正請求が増えれば、保険金が増加するとともに保険料も上がることに繋がりますので決して他人事とは言えません。
放火が起こらないようにするためには
放火を防止するためには、放火が起きやすい(火をつけやすい)環境をつくらないことです。
燃えやすいものを家の外に出しておかないことが一番の防止策と言えるでしょう。
また、自分で自宅に火をつける偽装放火を行った場合には、保険金を騙し取る行為(詐欺罪)として懲役10年以下、もしくは人が住む家に放火した罪で死刑もしくは無期~5年以上の懲役という罰を受けることになります。