もしも富士山が噴火したら…
地下の深い場所でマグマが活動し、いつ噴火してもおかしくないと言われている富士山。噴火口に近い地域は、家屋や自動車への被害だけでなく噴石の直撃などで死傷者が発生することも予想されます。遠方であっても降灰による影響はまず避けられないでしょう。火山灰により家屋の倒壊・損壊だけでなく、目・鼻・咽など呼吸器など人体に影響する被害も考えられます。交通機関の停止、農作物などへの被害など、様々な範囲で影響が考えられます。
火山の噴火と地震は連動するのか
富士山が最後に大規模な噴火をしたのは1707年12月の「宝永の大噴火」です。噴火は16日間にも渡ったといわれており、噴火地点周辺集落は壊滅状態、現在の東京や千葉県北部など広範囲に降灰が降り観測されたようです。
この宝永噴火には前兆現象が起こっていたといわれており、それがその年10月に起きていたマグニチュード8.7と推定される東海から四国沖に及ぶ巨大地震「南海トラフ」です。富士山付近では小地震や鳴動が発生し、12月には群発地震が発生してついに噴火したとのことでした。また、東日本大震災に類似した地震と言われている869年に起きた「貞観大地震」など、前兆として富士山大噴火が3回起こった後に次々と大規模な地震が発生したそうです。
南海トラフはここ50年間での発生確率90%と公表されている巨大地震です。現在いつ地震が起きてもおかしくない状態とも言えるでしょう。
日本は世界有数の火山国
地球上の約1,500ある活火山のほとんどが環太平洋地域に分布しています。日本の小さな国土には、その約1割という活火山が存在している世界有数の火山国です。毎年約10の活火山では火山活動が発生しており、富士山だけでなく桜島や雲仙普賢岳など火山活動に警戒が必要です。
日本の活火山のうち火山噴火予知連絡会によって選定した47の活火山、例えば富士山をはじめとする箱根山、八丈島、霧島山、桜島、伊豆東部火山群などは、気象庁によって24時間監視されています。
東日本大震災後三陸沖で大地震が発生し、火山活動が活発だった9世紀時代の状況に似ているとことで今世紀中に大規模な噴火による災害が発生してもおかしくないと考えられています。9世紀や18世紀には大規模噴火が短期間に連続発生したこともあり、過去の災害に学んだ大規模災害を想定して備えておくことが大切です。
ハザードマップなどで確認を
地震・津波、火山、洪水など様々な被害範囲を予測したハザードマップが各市区町村などによって作成されています。自分の住まいは万が一の際にどのくらいリスクが高いかなどを確認して災害に対する準備を行っておくことが必要です。