新築や中古、いずれの場合でも分譲マンションで火災保険に加入する場合、共用部分と専有部分について理解しておく必要があります。
分譲マンションの場合、通常でれば住宅部分である専有部分に対して火災保険に加入することになります。共用部分は一般的に管理組合で一括して加入することが多いようです。
どこからが専有部分?
専有部分に対して火災保険に加入するとしても、建物のどこからどこまでが専有部分か理解しておかなければ加入することができません。
例えば窓ガラスやバルコニー、玄関扉などは自分の居住部分だと考えられますが、窓ガラスに広告を出したり、勝手に色を塗り変えたりすることはマンションの美観を
なうため、マンション管理規約で禁止するため「専用使用権付共用部分」としていることが多いようです。
保険は専有部分の対象であることが一般的ですが、保険会社ごとに異なるケースもありますので確認しましょう。
管理規約で専有部分の範囲の確認を
壁や天井、床などは、管理規約の専有部分の範囲を確認することが必要です。
管理規約に「天井、床及び壁については躯体部分を除く部分を専有部分」という文言が記載されていれば、壁、天井、床はクロスから内側部分が専有部分になります。これは「上塗基準」という専有面積の算出方法で、現在多くのマンションで採用されている基準です。
別の算出方法に「壁芯基準」という方法がありますが、これは専有部分と共用部分の境目を壁や天井、床などのちょうど中心部分にするというものです。
上塗基準に基づいた面積で算出したほうが、火災保険も無駄な保険料が生じないといえるでしょう。
建物の評価額は購入価格ではない
また、火災保険に加入する場合には建物の評価額がいくらになるのかを確認する必要があります。この場合、新築マンションに火災保険をかける時、購入額をそのまま評価額だと判断してしまわないようにしましょう。
マンションを購入した時の金額には、不動産会社の広告費や利益、敷地利用権や共用部分の金額まで含まれた金額になっています。マンションの火災保険における建物の評価額は、設計費や材料費といった建築費用の部分だけです。
マンションで必要になる補償は?
マンションで生活する上で必要になる損害リスクには次のようなものがあります。
・火事・爆発
・自然災害(台風・落雷・風水害・雪災・雹災)
・地震
・漏水
・盗難
・機械設備・共用部分の設備等の損害
・施設の破損
・第三者および居住者に対する損害賠償
火事や自然災害、地震などは自分では防ぎようもないケースですし、その他の補償についても共用部分で加入している火災保険と補償が重ならないように加入しておくようにしましょう。
この中でも上階と下階間での漏水事故が起きた場合などのために、第三者に対する損害賠償については検討しておく必要があります。
賠償責任の所在をめぐる紛争などトラブルが生じやすくなるので、「個人賠償責任特約」や「水濡れ原因調査費用」などの特約についても検討しておくと良いでしょう。