賃貸で物件を借りている時、借主と貸主との間には賃貸契約が存在していますのでトラブルで賠償責任問題に発展することも考えられます。
例えば一般の住宅用の物件なら、「借家人賠償」と「個人賠償」の2つが基本となりますが、業務用で借りた物件であれば「請負賠償」「施設賠償」「生産物賠償の3つが基本となります。
一般用の場合でも業務用の場合でも、それぞれの賠償に対する備えとして損害保険に加入することができます。どのような補償内容になっているかを理解しておくと、加入の際に迷うことがないでしょう。
借家人賠償責任補償
借りている部屋が偶然な事故で損壊した場合など、家主である貸主に対して法律上の損害賠償責任を負った時の賠償金を補償する保険です。
一般的に部屋を借りる時など、賃貸契約の際には必ずといっていいほど火災保険への加入を求められますが、この借家人賠償責任保険の補償が重要にななるでしょう。
借家人賠償責任保険は火災や爆発など、事故を起こして借りている部屋に損害を与えてしまった場合に損害を修復する費用を補う保険です。
個人賠償責任保険
日常生活の偶然な事故で他人にケガを負わせた場合や他人のモノを壊してしまった場合などで、法律上の損害賠償責任を負って支払う損害賠償金を補償する保険が個人賠償責任保険です。
アパートやマンションで水漏れ事故を起こし、階下の部屋の家財に損害を及ぼし賠償責任が発生した場合などに適用されます。日常生活に関わる様々なケースでの法律上の賠償責任を補償してくれるため、加入しておくと安心です。
他にもバルコニーからうっかり鉢植えを落として下に停めている車に傷を付けてしまった場合や、自転車で走行中通行人にケガを負わせてしまった場合なども補償の対象なので加入しておいて損はありません。
請負業者賠償責任保険
建設工事や土木工事などで、工事請負業者や清掃業者などが請負作業を遂行している時に起こした事故、または作業のために所有や管理している仮設建物などの施設の欠陥や管理不備による事故で賠償責任を負った場合などに補償される保険が請負業者賠償責任保険です。
施設賠償責任保険
建物の欠陥や不備が原因で、他人にケガを負わせてしまった場合や他人の物を壊してしまった場合などに負う賠償責任に対する補償を行うのが施設賠償責任保険です。第三者に対する法律的な損害賠償責任が生じた場合に保険金を受け取ることができます。
生産物賠償責任(PL)保険
食品、商品、物品、修理品、または請負作業などを、顧客や依頼主に引き渡した後で製品の欠陥や仕事の結果による事故が発生し法律上の賠償責任を負うことになった場合に補償する保険が生産物賠償責任保険です。
万一賠償責任を負うことになった時のために
借主が賃貸物件に対する保険に加入していない場合、建物への損傷などは貸主が自身で加入している保険を使うことになるでしょうが、必ず原因になった借主に損害額が請求されることになります。
そのため賠償金が支払えないということになると困るので、保険には必ず加入しておくことが必要と言えるでしょう。