自動車保険でケガをした人を補償する保険に「人身傷害保険」があります。しかし「搭乗者傷害保険」の補償との違いで混乱するケースがあるようですので、この2つの違いを理解しておき、自分が備えておくべき補償を確認しておくようにしましょう。
人身傷害保険とは
人身傷害保険は、記名被保険者やその家族、契約している車に搭乗中の人が死傷した場合に保険金が支払われる保険です。契約の車に搭乗中の事故を補償する車内の補償、そして他の車に搭乗中や歩行中の自動車事故を補償する車外の補償があります。
事故の過失割合に関係なく人身傷害保険の基準で保険金が支払われるという特徴がありますので、ケガの治療費や休業損害、精神的損害、後遺障害が残った場合の逸失利益などに相当する損害額がそのまま受取ることができます。
搭乗者傷害保険とは
搭乗者傷害保険は契約している車に乗っている人を対象に、入通院日数や後遺障害の程度に応じて事前に決められた保険金を受取ることができます。こちらも過失割合が影響することはありません。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い
2つの保険で異なる点として、搭乗者傷害保険のほうが事故後速やかに保険金を受取ることができるという点です。
人身傷害保険は総損害額を確定するまで多少の日数が必要となり、保険金もそれから支払われることになります。しかし搭乗者傷害保険の場合、医師の診断に基づいて入院や通院の日数が5日以上経過した時点で支払われるため迅速に保険金を受取ることができるでしょう。
また、人身傷害保険の保険金額は3,000万円～1億円、もしくは無制限といった設定が可能で、損害額算定基準に従って総損害額が支払われます。
一方の搭乗者傷害保険は決められている部位や症状に応じた定額の金額が支払われる点も異なる部分として挙げられるでしょう。
搭乗者傷害保険は人身傷害保険の上乗せ補償
人身傷害保険と搭乗者傷害保険、どちらも事故で同乗者が死傷をした場合に補償する保険です。
人身傷害保険が自動車保険にセットされている場合には、保険金額を上限に実際の損害額が保障されますので搭乗者傷害保険は人身傷害保険の上乗せ補償として考えることができるでしょう。
求める補償に応じた保険への加入を
人身傷害保険に加入していれば仮に事故でケガをしても治療費などカバーできるため、搭乗者傷害保険と補償が二重になります。保険料をできるだけ軽減したい場合には必要がないとも言えるでしょう。
ただし両方の保険に加入している場合には、補償はいずれか一方ではなく双方からになりますのでより手厚さを求める場合には2つに加入しておいても良いでしょう。
