住宅の火災保険を検討する場合、最も気になるのはやはり支払う保険料です。おおよその保険料の相場がわかれば、一戸建て住宅や分譲マンションを購入した時に必要になる保険料を事前に把握することができるでしょう。
また、新築から数十年経過した中古住宅を購入した場合など、新築だった時の家の価格がわからないという場合もあるため火災保険の保険料がどのように決まるのか不安になることもあると思います。
しかし火災保険は厳密には相場というものがありません。その理由には保険料の決め方が関係しています。
火災保険の保険料の決め方
火災保険は建物の構造や築年数、面積、所在地など、色々な条件で決定します。
建物の評価額によって保険金額が決まることになりますが、現在の火災保険のほとんどは再調達価格で保険の設計が行われます。
再調達価格とは今の家をまた同じように建てる時に必要な金額ですので、新築でも中古でも今の家の価値がわかれば問題ないということになります。
一戸建てかマンションかでも保険料は異なる
例えば一戸建て住宅だと、木造住宅(H構造)より鉄骨などの住宅(T構造)の方が保険料は安くなります。木造住宅より鉄骨造りの住宅の方が燃えにくいため、火災リスクが低くなることがその理由です。
そして分譲マンションだと基本的には専有部分と家財に対して火災保険に加入することになりますが、共有部分についてはマンション管理組合が代行して建物に対して火災保険に加入していることがほとんどです。
一戸建てのほうが加入する建物部分が大きくなり、さらに燃えやすさなどのリスクが高くなることから火災保険の保険料はマンションよりも高くなります。
火災保険は自分だけのオーダーメイドの保険
火災保険を設計する時には、建物構造、建築年数、面積、補償範囲など、決めることが多くて大変だという印象を受けるかもしれません。
ここまで細かく設定するのは火災保険がその家にとって完全オーダーメイドの保険だからだと言えます。しかし全く同じ補償内容だとしても保険会社によって保険料は異なります。
そのためできるだけ保険料を安くすることを考えるのなら、色々な保険会社から見積もりを取って保険料を比較することも必要になるでしょう。
相見積もりが取れない状況に注意
なお、住宅ローンの手続きや物件を購入する手続きと合わせて銀行や不動産会社から勧められるがまま火災保険に加入してしまわないことも必要です。
多くの場合、銀行や不動産会社が提携している保険会社の火災保険を勧められることになるので、他の保険会社の火災保険との比較ができません。
そのため本当なら保険料が安い保険会社もあったのに、高い保険料を支払うことになったというケースもあります。10年長期契約の場合など、保険料は10万円くらいの差が出る場合もありますので注意しましょう。