アパートなど賃貸住宅を契約する際には、火災保険に加入することが必須条件になっていることがほとんどです。
しかし不動産会社などで言われるがまま加入し、補償内容を良く理解していなかったことで本当なら保険で補償される損害も自己負担していたというケースもあります。そのため火災保険に加入する際には、どのような補償が必要なのか理解しておくと安心です。
部屋から火災が発生しても賠償責任は負わない?
火災保険に持つイメージは、やはり火事が起きた時の補償という印象が強いと思います。借りている部屋から火事が起きてしまった場合、隣の部屋や隣家などに対して迷惑を掛けた部分に対する補償をしなくてはいけないと思うかもしれません。
しかし実は誤って火事を起こしてしまい、周囲に延焼させた場合でも失火責任法が適用されることで原則として損害賠償責任を負わないことになっています。
大家さんに対する賠償責任は負うことに
ただし賃貸住宅に入居する場合、大家さんと賃貸借契約を締結した上で入居することになります。そして退去する際には、借りていた部屋を元通りにして返す原状回復義務を負うことになります。
原状回復義務に失火責任法は適用されませんので、自分の部屋が火元になって借りた部屋に与えた損害は元通りにして返す必要があります。このような場合のために、借家人賠償責任補償特約付きの火災保険に加入しておくことが必要です。
日常生活における損害の補償も必要
また、賃貸住宅用の火災保険に個人賠償責任特約も付帯されていることが多いですが、この保険は入居者の日常生活における賠償事故を補償します。
例えば給排水設備の事故で階下に水漏れ損害を負わせてしまった場合や、駐車場で子供がボール遊びをしていて他人の車に傷を付けてしまった場合、自転車で走行中に通行人にケガを負わせてしまった場合などに補償されます。
特に自転車による事故は増加傾向にあり、加害事故の賠償額も高額になる恐れがあります。そのため自転車に普段乗る機会が多い場合には、個人賠償責任特約も付帯しておくことが望ましいでしょう。
自分が加入したい火災保険に加入することはできる?
賃貸契約の際に不動産会社が勧める火災保険に加入せず、独自で加入を希望する保険会社の火災保険に加入することもできます。
既にアパートに住まいがあり、賃貸契約の際に不動産会社で火災保険に加入していたとしても途中で他の保険に切り替えることも可能です。
火災保険の保険期間は賃貸契約に合わせなくて良い?
例えば物件を2年で契約している場合には、それに合わせて火災保険も2年で契約していることが多いですが、引き続きその物件に住み続けるのであれば賃貸契約の更新の際に他の保険会社の火災保険に切り替えることもできます。
なお、賃貸契約が2年になっていても、火災保険の保険機関も2年に合わせる必要はなく、1年ごとに更新という形で加入しても問題ありません。